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路上のソリスト Comments (20)
贖罪や偏見やプライドなど、動物では感じる事のない感情をテーマに物語を描くジョー・ライト。今回のテーマは恩寵。神の恵みや愛を指す言葉だが、人間が人間対して行う施しと恩寵を対比させ描いていると感じる。
人間の100%無償の善意は存在しない。なんの見返りを求めなくても、そこには天国へ行けるかもしれないという、神からの見返りが存在する。無償の善意、恵みとは神だけの行為である。
主人公の記者は無償の善意とは言えないが、与えられる側のソリストのホームレスの感じ方の違いに葛藤する。
そして施しはやがて「一番助けてほしい時に、すぐに駆けつけてくれる友」という寄り添った善意へとカタチを変えて行く。それは恩寵や恵み以上に人間にとって大切な行為と感じる。
大変興味深いテーマだが、以前のジョー・ライト作品とは違い、ハリウッド制作の一流スターを起用しての物語なので、監督独自の孤高のテーマに邪魔なパッケージと感じる。
映画としては間延びする時間も多く、キャラクターも愛すべき存在になっていないので、人にお勧めする程ではない。
同監督であれば、まずは「つぐない」をお勧めする。
新聞記者がそれを記事にし、世間の話題となる。
精神を患い、家族が自分を殺そうという妄想からホームレスになるが、なかなか復帰できない。
過剰な演出をせず、実際の話を丁寧に描いている。
姉が弟と再会したときの「大変だったね」が何年もの重みを感じた。
この人のために動きたい、という想いは誰にだってある。
それが本当にその人のためになるのかどうかは、
そのときには気付けないもの。
相手を想うとはどういうものなのか。
考えに考えて、
芽生えてきた答えはシンプルだったりする。
多少、あらゆる問題が詰まりすぎていたけれど
それはリアル故だと思う。
じわりと温かさを感じる。
名画座にて。
公開時にもけっこう話題になっていて、
さらに賛否が分かれていたような気がする作品。
まぁ、、好き嫌いはあるにせよ、これはリアル。
実話ならではの甘さも感動も感じさせない^^;作り。
それをどう感じるかで評価が分かれると思う。
個人的にはあまり後味のいい話ではないな、と
思いながら、いきなりラストで寝返った?ような、
締めくくり。うーん…結末はないと思うけどねぇ。
いつだったか、御本人たちが来日?して、
本物がTVに映っているのを観た。似てなかった^^;
私は音楽に精通していないうえ、チェロについても
(ジェロなら知ってるけどv)あまり聴き覚えがない。。
それでも冒頭で流れる音楽や、劇中で流れる曲は
心地良いとは思う。。思うんだけど、その心地良さ
がメインではない話なんだよなぁ…これは。
統合失調症という精神疾患が天才音楽家にもたらす
悲劇…というか、そちらの描写が色濃く、おそらく
原作者が彼をネタとして抜擢し利用したのも明らか。
(まぁ、記者とはそういう仕事ですから^^;)
彼が偽善者とか、慈善家とか、色々な見方はあるが、
純粋にコラムの題材として彼を選んだだけだと思う。
その後の交流で、彼への復活の期待も芽生えてくる。
それをすることが彼の為になるのか。を問われても、
「ハイ、そうです」と、簡単に答えられる問題でもない。
苦い描写が一転、温かい手のぬくもりへ変わるラスト。
映画の締めくくりとしては「そうだよねぇ」なのだけれど、
そこまでの展開が苛立ちと残酷さに満ちているので
私的にはスッキリできなかった。主演の二人は巧い。
(日本も路上音楽家が多いですねぇ。騒音とハモる?)