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希望のかなた Comments (20)
フィンランドといえばサンタさんの国なので温かい国民性と思っていたが欧州評議会によれば反移民感情を示す国民も少なからずおり人種差別も問題と指摘されているらしい。アキ・カウリスマキ監督もフィンランドの移民政策は恥ずべきことと公言しており問題提起としての本作を製作したのでしょう。
ただ監督の持ち味でもあるのですが説明的な表現は嫌うので人物の動機的背景などが分かりづらくビクストロムがどうしてああまでカリードに尽力するのか、善人にしては品行方正というわけでもないし・・、元は服のセールスマンという職業から推察すると彼はユダヤ系だったのかもしれませんね。(Wikiによるとたフィンランドのユダヤ人は主に服売りとなって成功したとあった)
監督は親日派ですからわさびがあんな盛り方をする訳はないと知っていてのギャグ、ただ、コメディセンスは微妙ですね。おそらく監督は劇伴の注文には仕方なく感情表現を用いたのでしょう映像とのちぐはぐさが際立ち、本当はそういうシーンだったのかと副音声解説のように思えます。作家性とはいえ面倒な監督です。難民映画では「グッド・ライ いちばん優しい嘘」の方がハートウォームで好みですが使命感に駆られて作っているのでこういう顛末になったのでしょう。
これと言った話があるわけではないけれど、言葉も立場も違う人たちのささやかな瞬間を垣間見る。親切心とか善意とか、そういうものに近いのだろうけど、言葉や名前がつけられない、そういう"なにか"をただ映すよう。
現実が何か大きく変わるわけでなくとも、私はこの終わり方を悲劇的にはあまり思わなかった。深い余韻と、その後の彼らの人生に想いを馳せた。
フィンランド解放軍と銘打ったジャンパーを着た、明らかに右翼かネオナチのような男3人組。映画の中でこいつらだけは排他的偏見の持ち主で、カーリドを見た途端にいじめ抜く憎々しい奴らだ。ヨーロッパで難民問題が深刻化する中、警察など行政側の人間は追い出そうと躍起になるものの、市井の人たちは皆優しく、彼らに救いの手を差し伸べる。特に妹を見つけた連絡を受け取り、密入国に協力した長距離トラックの運転手が報酬を受け取らなかったところで泣けてくる。
カーリドの描写と同時進行で、酒浸りの妻に別れを告げ、商売替えしてレストラン経営を試みる中年ヴィクストロムが描かれる。深刻な状況のカーリドとは対極で、店のシャツを売りさばいた金を使い、のんきなことに闇賭博のポーカーで手持ちの金を倍増させる。駐車場の出口でカーリドとは遭遇しているが、強制送還からの逃亡中に店のごみ置き場で一発ずつ殴り合って一気に打ち解けた二人。従業員として迎え入れた上に偽造身分証まで作るという手厚さを見せてくれるヴィクストロムだ。なんだ、いいオヤジじゃん。
敗者三部作の次は難民三部作と位置付けたカウリスマキ監督。まだまだ未見の作品ばかりですが、この作品も日本びいきのシーンがいっぱいあって、特にレストラン“ゴールデン・パイント”を寿司店“インペリアル・スシ”に変えるところは笑える。ワサビもネタ以上に大きいし、「いらっしゃいませ」と日本語で客を迎え入れる。音楽も渋いブルースの弾き語りから日本歌謡曲までと魅力満載です。調べると、篠原敏武の演奏する「竹田の子守唄」とありました。
最後は悲しい出来事がありましたけど、結末はわかりません。このまま病院へ行っても偽造証明書がばれて、たちまち強制送還か、それとも死か。友人となったマズダックは看護師の資格を持っていたはずで、彼に頼ればなんとかなったのかも・・・と、色々想像できる余韻を残してくれます。
そして、善良でない人の姿も、辛辣なユーモアを絡ませて描いている。
この稀有な監督の、映画を製作するスタンスにブレはない・・。ー
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・今作では、アキ・カウリスマキ監督はフィンランドの中で、静かに生きる人を描く枠を乗り越えて、シリア内戦により、親族の殆んどを失った青年、カーリド(シュルワン・ハジ:シリア人俳優)をメインに描かれる。
彼は、必死の思いでシリアを妹と脱出するが、途中で逸れてしまい、一人”良い人々の国だ・・”と聞いていたフィンランドに何とか辿り着く。
・だが、彼は一年以上、入国審査を待たされた挙句、”アレッポには、危険性はなく保護する必要はない・・”という入国審査官の無情な判断の元、強制送還の判決が下される。
ー 実際に、2010年以降、欧州では移民排斥運動が盛んになって来ていた。劇中でも描かれる”フィンランド解放軍”の皮ジャンを着た男達がカーリドに対して行う愚かしき行為が描かれる。
アキ・カウリスマキ監督は、そのシーンを淡々と描きつつも、腹の底では不寛容な思想にフィンランドも侵されている事を怒りを持って、シニカルに描き出している。ー
・一方で、行き詰った過去を捨て、新たに人生を始めようとする男、ヴィクストロム(サカリ・クオスマン)が、ポーカーで全財産を掛け、元手を作り、レストランを買い取る姿が、平行して描かれる。
そして、カーリドとヴィクストロムの出会い。殴り合った後にヴィクストロムが、カーリドに掛けた言葉”働くか?”
ー ヴィクストロムは、自らの人生の再出発に当たり、同じく人生の再出発を夢見る男カーリドに、手を差し伸べたのである。ー
・買い取ったレストランの古参の従業員カラムニウスとニエルヒネン、そして見習いウェイター達の”前オーナーから給料を支払って貰っていない・・”と言う声を聞きつつ、ヴィクストロムは、お堅い役所の監査も乗り越え、寿司店挑戦&失敗にめげず、店を遣り繰りしていく・・。
ー この辺りは、アキ・カウリスマキ監督の手中の技を楽しむ。ー
・そして、カーリドは漸く妹と出会い(そこには、イラク人移民希望者のマグダニクの寛容な行いが大きく寄与している。)、ヴィクストロムも過去の負の状況に向き合っていく・・。
<今作は、世界に広がる不寛容な思想をシニカルに描きつつ、アキ・カウリスマキ監督が、人間の無償の優しさを描いたヒューマンドラマである。
静かなトーンは、前作までと変わらないアキ・カウリスマキワールドであるが、今作ではそこに、秘めた怒りをそっと忍ばせた作品になっている作品。>
<2018年1月20日 京都シネマにて鑑賞>
<2021年8月4日 別媒体にて再鑑賞>