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迷子の警察音楽隊 Comments (13)
実は、どうしても、どうしても、観たい作品だった。
まさかと思ったけど!?それが地元のシネコンにやってきた。
うっそー。でも嬉しくて仕方なかった。。早速!!と思いきや、
二週間の限定上映。頑張ってスケジュールを錬るも時間が合わず
もうダメか??と思った最終日に、ついにその願いが叶った♪
…やっぱり映画の神が味方になってくれた!と感じた瞬間。(爆)
カンヌ映画祭「ある視点」部門で“一目惚れ”賞を、
昨年度東京国際映画祭で最優秀のサクラグランプリを受賞した作品。
長年、敵対関係にあったというエジプト人とイスラエル人の
たった一夜の夢のような物語ではあるけど、いたってシンプルな話。
取り立てて説明もなければ、もちろん仰々しい演出もない。
エジプトの警察音楽隊が、招かれてイスラエルに演奏に来たものの、
降りる街を間違えて迷子に。そこで一晩だけ親切な食堂の女主人の
世話になるという話。本当にそれだけなのだ。(爆)
ところがこれが素晴らしく素敵で、私も一目惚れしてしまった^m^
なにはともあれ、誇り高き団長役・サッソン・ガーベイである。
彼以外にこんな役は出来ないだろう~♪ピタリとハマっている。
こんな奴について行きたくない!と誰もが思う頑固親父だけど、
彼にもいろんなドラマがあったのだ。
それをサラリと女主人に語らせ、ほのかな感情を芽生えさせるも、
彼はやっぱり団長だった^^;親父には団員を引率する責任がある。
どこまでも頑固で意気地のない彼が、小さく小さく手を振る姿が
なんとチャーミングなことか♪
彼と何かと対立するイケメン団員・サーレフ・バクリも素晴らしい。
ナンパ師の彼が、迷い込んだイスラエルでは誰一人モノにできず^^;
ひいては知り合いになった男の子の恋愛指南をするハメに!?
他の団員達も、どんな難事に巻き込まれてもジーっとして動かない。
呆気にとられ吹き出してしまうような「間」がとにかく絶妙なのだ。
どんなにトホホ…な状況でも、常に温かく彼らを見守る視線が
最初から最後まで徹底しているのに、泣かせようとする演出はない。
彼らのいた両国のバックグラウンドを知れば知るほど、この作品が
興味深くなり、冒頭の語り「過去にエジプトの音楽隊が来たが、
それほど大したことではなかった。」の真意が分かってジーンとする。
やっとのことで、彼らの演奏が聴けるラストまで(爆)
彼らと一緒にジーっと身構えながら、心はどんどん温まっていく。
名優オマー・シャリフやファテン・ハママの名を聞けたのも、
名曲“サマー・タイム”“マイ・ファニー・バレンタイン”が
口ずさめたのも、人の心には何の国境もないことを教えてくれる。
(今もアラブ系イスラエル人は苦労しているそうだ。希望を開こう!)
エジプトからイスラエルに来た警察音楽隊。空港での出迎えがなくバスで現地に向かうが、行き先を間違えて、ホテルすらない過疎地へ。帰りのバスが無く、道を聞いた食堂の人達の好意で一夜を過ごす事に。
異国の地で迷子になる不安感、刺激の無い街の住人の反応。関わる両者の距離感がとても面白く描かれていて、海外の人に距離を置く感覚は万国共通かと、ホッコリ出来る。楽団のイケメン男が、現地の女性経験の無いブ男に指南するシーンは抜群に面白い!
ストーリー: 55
キャスト: 65
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 75
アラブとイスラエル、見知らぬ辺境の町で見知らぬ人々同士。たどたどしい英語でかろうじて交流をしていく。お互い遠慮してしまってひたすら気まずい雰囲気が流れる。正直見ているこちらも気まずい。何か自分が見知らぬ家で無理やりお世話になっている感じになる。早く時間が過ぎてこんな場所は脱出して本来いるべき場所に行きたい。そんな気分になった。だから演奏が始まると、音楽も含めてなんとなく晴れ晴れとした気持ちになれる。だが気まずい雰囲気のままなかなか進まない話がちょっと冗長だった。
映画「迷子の警察音楽隊」(エラン・コリリン監督)から。
エジプトの警察音楽隊が、イスラエルに招かれ演奏会に行き、
現地で迷子になるというストーリー。
予告では、面白いシーン満載だったけれど、
実際は、笑えるシーンは最初の数分だけで、
宗教とか、エジプトとイスラエルの関係は
よくわからないけれど、けっこう重たい映画だったと思う。
外国人と言葉が通じない時のあのどんよりした雰囲気、
それを一晩中、続けるとなると、気が滅入る。
わかるだろうか・・そんな映画なのである。
それでも、その雰囲気を打破するために、片言の英語で話す。
それが、今回の気になる一言。
「アラビア語で何か言って?音楽のように聴くから」だった。
正直、アラビア語は全然わからない。
でも、音楽のように聴くから、ずっとアラビア語を話して・・。
彼らに、ストレスが貯まらないようにしてあげたのかな。
乾いた空気、粗くも温かい人々…イスラエルの感触を思い出させられました。
イスラエルとエジプト、難しい話になりがちな関係の二国間だけど、人間同士の交わりはもっと単純。
迷子になっているのは警察音楽隊だけではなく、そこに昔から住んでいる人たちも、迷いを抱えながら生きている。
思いがけない一晩の交流は、お互いに忘れがたい何かをもたらしあったに違いない。
本当に一晩の夢のような、静かな温かい作品。
俳優も皆、いい表情します。