県警対組織暴力

最近公開された「孤狼の血」の元となった作品
「孤狼の血」は観たけどこれはまだ観ていない人は是非とも映画館に足を運んで観てください

松方弘樹のキレっぷり、菅原文太の良い加減振り等全てにおいて深作欣二の演出はパワフルで素晴らしい。隠れた名作だと思う。

昭和38年倉敷からスタート、すぐに32年に。終わりは40年。
松方弘樹の馬乗りバックシーンが強烈
梅宮辰夫班長が31歳設定とは驚愕
成田三樹夫がいうほど活躍しない
金子信雄は仁義なき戦いと同じようにいやらしい役どころ
松方弘樹に心酔する室田日出男。幼馴染みの山城新伍を撃って男泣き
川谷拓三が裸にむかれて人が狩りでシバかれる
実録モノカラーは濃いがこれはフィクションとか

「仁義なき戦い」のスタッフやキャストが再集結し、警察とヤクザの癒着をあぶり出した東映実録路線。久々に鑑賞。

笠原和夫氏の社会派な脚本と深作欣二監督のリアリティ溢れる演出が見事な融合を見せ、重厚で隙のない完成度の高さが印象的だった。

東映俳優陣の演技も圧巻。特に主演の菅原文太の脂の乗り切った演技は素晴らしすぎた。

流石「仁義なき戦い」を作り上げた黄金チームといった感じ。警察とヤクザの癒着の実態を見事に描ききった傑作実録路線だった。

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DVDで鑑賞。

キャスト・スタッフへの信頼感が抜群。監督・深作欣二、脚本・笠原和夫、主演・菅原文太…実録黄金トリオ！　この3人が寄れば面白くないわけがございません！
実際の事件をベースに警察とやくざの爛れた癒着の実態を浮き彫りにし、さらには組織の中で生きる者が抱える不条理さまでも炙り出すという秀逸過ぎる名作でした。

“組織”に翻弄される菅原文太と松方弘樹の姿、そしてそれを取り巻く様々な人間模様はさながら社会の縮図。警察もやくざも根本でやっていることはあまり変わらないなぁ…。
張り巡らされる権謀術数、抗えない階級社会…組織のセオリーにもがき苦しむ男たちのドラマが熱過ぎ！　「県警対組織暴力」というタイトルがものすごい皮肉に思えて来た…。
やくざと癒着する刑事は悪いし、やくざもまたしかり…。それは重々分かっているのに、久能たちが追い詰められていく様は、めちゃくちゃ辛いものがありました…。
固い結束で結ばれたふたりに待っていた結末が、何とも破滅的でエモーショナル。積み重ねられた絆の分、その悲しみは重みを増し、様々な感情が溢れ出して来ました…。
勝者となるのは状況を見抜いて上手く立ち働いた者、そしてそのおこぼれにちゃっかり預かった者と相場が決まっている…。あぁ、やるせないなぁ…。

【余談】
物語の舞台は架空都市“倉島市”ですが、何を隠そう思い切り広島市のこと(笑)　一連の広島抗争を警察側の視点から描いた「仁義なき戦い」シリーズの番外編として観るとまた違った面白さがあるなと思いました。